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  • Marcel Proust

スワン家の方へ 第1章 コンブレイ - 6

いつもと同じベッドの上であっても、眠りが深く、私の魂が完全に眠ってしまった時、眠りについた場所の感覚さえ失い、夜中に目が覚めた時、居場所を忘れてしまうことがある。そのように目覚めた瞬間は自分が誰であったかさえ忘れてしまっている。その時の私は太古の石器人よりももっと裸の、余分な属性が一切剥ぎ取られ、獣の中で震えているような存在である。そんな時に、記憶が、自分がいた場所、過去に住んだことのある場所、それともいたかもしれない場所の記憶が、天からの救いの手のように差し出され、自分ひとりでは抜け出すことのできなかった無の世界から私を救い出してくれる。あっという間に何世紀もの文明を飛び越え、オイルランプや折襟のジャケットのイメージがぼんやりと見えはじめ、少しずつ私の自我の元の姿を思い出させてくれる。

Mais il suffisait que, dans mon lit même, mon sommeil fût-il profond et détendît entièrement mon esprit : alors celui-ci lâchait le plan du lieu où je m'étais endormi, et quand je m'éveillais au milieu de la nuit, comme j'ignorais où je me trouvais, je ne savais même pas au premier instant qui j'étais : j'avais seulement dans sa simplicité première le sentiment de l'existence comme il peut frémir au fond d'un animal : j'étais plus dénué que l'homme des cavernes : mais alors le souvenir - non encore du lieu où j'étais, mais de quelques-uns de ceux que j'avais habités et où j'aurais pu être - venait à moi comme un secours d'en haut pour me tirer du néant d'où je n'aurais pu sortir tout seul : je passais en une seconde par-dessus des siècles de civilisation, et l'image confusément entrevue de lampes à pétrole, puis de chemises à col rabattu, recomposait peu à peu les traits originaux de mo moi.

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