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  • Marcel Proust

スワン家の方へ 第1章 コンブレイ - 11

ただ、混乱した意識の中で記憶は完全に蘇っておらず、私は依然として、目覚めの夢の中で一瞬見た家、この世に存在すると信じた家にいると思っている。そんな時は、すぐにまた眠ろうとすることはなく、過去のこと、例えば、コンブレイの大祖母の家、バルベック、パリ、ドンシエール、ベニス、その他の場所、その場所柄やそこで出会った人たち、その人たちの印象や噂などを思い出しながら、夜の長い時間過ごす。

Mais j'avais beau savoir que je n'étais pas dans les demeures dont l'ignorance du réveil m'avait en un instant sinon présenté l'image distincte, du moins fait croire la présence possible, le branle était donné à ma mémoire ; généralement je ne cherchais pas à me rendormir tout de suite ; je passais la plus grande partie de la nuit à me rappeler notre vie d'autrefois, à Combray chez ma grand'tante, à Balbec, à Paris, à Doncières, à Venise, ailleurs encore, à me rappeler les lieux, les personnes que j'y avais connues, ce que j'avais vu d'elles, ce qu'on m'en avait raconté.

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