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  • Marcel Proust

スワン家の方へ 第1章 コンブレイ – 8

姿勢を変えると別の場所の記憶が蘇る。壁がまた動き始める。――タンソンビールにあるマダム・ド・サンルーの家の一室にいる。『ああしまった。マダム・ド・サンルーとの散歩の後、晩餐用の服に着替える前に、少し横なるつもりが、眠り込んでしまった!もう10時、晩餐は終わったに違いない』――コンブレイの頃からは長い月日が過ぎていた。コンブレイでは、散歩からの帰りが遅くなると、部屋の窓からは赤い夕日が見えた。タンソンビールでは日が落ちてから散歩に出ることが習慣になっていた。子供の頃、日差しを浴びながら歩いた道を、ここでは月明かりの中を歩く。散歩からの帰途、家々の灯りの中、私が眠り込んでしまう部屋の灯りが夜の闇の中で灯台のようにぽつんと光っている。


Puis renaissait le souvenir d'une nouvelle attitude ; le mur filait dans une autre direction : j'étais dans ma chambre chez Mme de Saint-Loup, à la campagne. Mon Dieu ! Il est au moins dix heures, on doit avoir fini de dîner ! J'aurai trop prolongé la sieste que je fais tous les soirs en rentrant de ma promenade avec Mme de Saint-Loup, avant d'endosser mon habit. Car bien des années ont passé depuis Combray, où, dans nos retours les plus tardifs, c'était les reflets rouges du couchant que je voyais sur le vitrage de ma fenêtre. C'est un autre genre de vie qu'on mène à Tansonville, chez Mme de Saint-Loup, un autre genre de plaisir que je trouve à ne sortir qu'à la nuit, à suivre au clair de lune ces chemins où je jouais jadis au soleil ; et la chambre où je me serai endormi au lieu de m'habiller pour le dîner, de loin je l'aperçois, quand nous rentrons, traversée par les feux de la lampe, seul phare dans la nuit.

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