• Marcel Proust

スワン家の方へ 第1章コンブレイ 34

しかし、父の反応はそれとはまったく異なっていた。父は、母や祖母が優しく与えてくれる許可を常に拒否した。なぜなら、父にとって、「習慣的決まり」のようなものはなく、「人の既得権」というものもなかった。わたしにとっては、非常に重要で、習慣にもなっていた散歩を、成り行きで、それともまったく理由なく、直前になって取り止め、約束違反だと思わせられることがよくあったし、例えば、あの夜のように、いつもの時間よりも早めに、「文句を言ってないで、早く、二階に上がって寝なさい」と命令されることがよくあった。しかし、その決まり(祖母の言う決まり)がないからこそ、頑固さもなかった。父は、驚き、怒った様子でわたしを見た後、母が困ったように状況を話すと、「しばらく、一緒に居てやりなさい。さっきも眠くないと言っていたし。僕は一人で寝るから」と言った。母が、「わたしが眠くないということじゃなくて、癖になると良くないと思うから、この子の言うことを聞かない方が良いと思うのだけど」と困ったように言うと、父は肩をすくめ、「癖になるということじゃなくて。この子が悲しんでいるのは見れば分かる。このまま放っておくわけにいかないだろう。病気にでもなったらどうする。この子の部屋にはベッドが二つあるから。フランソワーズに言って、大きい方のベッドを用意させなさい。今晩は、この子と寝なさい。僕は君たちのように神経質じゃないから、もう寝るよ。おやすみ」と言った。

Il n’en fut pas ainsi. Mon père me refusait constamment des permissions qui m’avaient été consenties dans les pactes plus larges octroyés par ma mère et ma grand’mère, parce qu’il ne se souciait pas des « principes » et qu’il n’y avait pas avec lui de « Droit des gens ». Pour une raison toute contingente, ou même sans raison, il me supprimait au dernier moment telle promenade si habituelle, si consacrée, qu’on ne pouvait m’en priver sans parjure, ou bien, comme il avait encore fait ce soir, longtemps avant l’heure rituelle, il me disait : « Allons, monte te coucher, pas d’explication ! » Mais aussi, parce qu’il n’avait pas de principes (dans le sens de ma grand’mère), il n’avait pas à proprement parler d’intransigeance. Il me regarda un instant d’un air étonné et fâché, puis dès que maman lui eut expliqué en quelques mots embarrassés ce qui était arrivé, il lui dit : « Mais va donc avec lui, puisque tu disais justement que tu n’as pas envie de dormir, reste un peu dans sa chambre, moi je n’ai besoin de rien. » – « Mais, mon ami, répondit timidement ma mère, que j’aie envie ou non de dormir, ne change rien à la chose, on ne peut pas habituer cet enfant... » – « Mais il ne s’agit pas d’habituer, dit mon père en haussant les épaules, tu vois bien que ce petit a du chagrin, il a l’air désolé, cet enfant ; voyons, nous ne sommes pas des bourreaux ! Quand tu l’auras rendu malade, tu seras bien avancée ! Puisqu’il y a deux lits dans sa chambre, dis donc à Françoise de te préparer le grand lit et couche pour cette nuit auprès de lui. Allons, bonsoir, moi qui ne suis pas si nerveux que vous, je vais me coucher. »

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